郵政民営化は本当にバラ色か

郵政民営化に賛成する勢力、特に小泉内閣は郵政民営化政策をバラ色のごとく説明していました。「郵政民営化すれば何とかなる」と言わんばかりです。

政治的には、特殊法人温存の原動力となっていた財政投融資を元から止めることにより、ばら撒き行政に歯止めがかかることが期待されています。

また、現在の郵政公社には26万人もの職員がいますが、これらの職員は全て国家公務員です。

これだけたくさんの公務員の人件費となると、それこそ天文学的な数字になります。

郵政民営化によってこれらの人が公務員ではなく民間企業の社員となると、大幅な国家予算の節約になります。

これは郵政民営化に賛成している人の意見です。これだけ見ていると、郵政民営化はバラ色のように見えますが、そうでない一面も当然あります。

まず、郵便局の統廃合やサービス格差の問題。これについては「郵便局がなくなるって本当?」の項で詳しく述べています。

それに加えて、ゆうちょ銀行が世界最大の銀行として民間企業になるということは、他の銀行と同じように買収の危険にさらされます。

民営化後の当初は国が全株式を保有する事実上の国有企業ですが、最終的には国の持ち株比率は3分の1にする、と定められていますので、外資のハゲタカファンドに買収される可能性はゼロとは言えません。

「郵政民営化すれば全てうまくいく」とは、必ずしも言えない一面があるということもしっかりと覚えておきたいものです。

0 件のコメント: